チームスマイルとは

令和3年7月の豪雨により被災された皆様方に心よりお見舞い申し上げます。

2011年3月11日の東日本大震災から10年を経て、まさに今、震災復興は“第二段階”を迎えようとしていると思います。決して十分とは言えないまでも、衣・食・住の整備が徐々に進みつつある中、「心の復興」を中心に、被災地の方々と支援者とが想いや感動を共有し、共感し、「共に立ち上がれる仕組み」を、それも継続的に作り出していくことが求められていると思います。

「チームスマイル」と名付けた復興支援のプロジェクトが立ち上がったのは、東日本大震災直後のことでした。関東、東北地区を中心に、コンサートや演劇、スポーツなどの開催中止や延期が続々と決まる中、逆に、エンタテインメントには被災地の方々に勇気や元気を届ける力があるはずだ、そう信じた有志によって、自然発生的に生まれたボランティア活動でした。

以来、チャリティコンサートの開催や復興支援イベントなど、同じエンタテインメント業界に携わる方々とともに様々な活動を続けてきましたが、そんな中、今後を見据えて、実現しなくてはならないことに思いが至りました。それは、支援活動の継続性です。震災後に立ち上がったボランティア活動やNPO活動が次第にその数を減らす中、どうしたら活動を続けていくことができるかが最大の課題でした。

出した答えは二つでした。まずは、一過性のチャリティイベントに閉じない継続的な活動を維持するには、活動拠点の確保が必要です。と同時に、その開設と運営をまかなうための経済性の担保が必須となります。これら二つを解決するべく、私たちはそれまでのボランティア活動を正式に一般社団法人化し、東北三県(福島、宮城、岩手)と東京に、その活動拠点となるシアターを開設することを決めました。これが、『PIT(ピット)』です。

『PIT』は、「Power Into Tohoku!」の頭文字です。多くの企業、団体より篤いご協力やご寄附、ご協賛を賜り、2014年10月には東北三県に先駆け、東京都江東区に「豊洲PIT」がオープンしました。「豊洲PIT」は、スタンディングで約3,100名、着席で約1,500名のホールです。ここでの事業収益金は、文字通り、いわきPIT(福島県いわき市 2015年7月24日オープン)、釜石PIT(岩手県釜石市2016年1月9日オープン)、仙台PIT(宮城県仙台市 2016年3月11日オープン)の3つの東北「PIT」の建設と運営、そしてエンタテインメントを通じた復興支援活動に、その全額が活用されています。

東北の「PIT」では、コンサートや演劇、ライブビューイング等のイベントの他、特に子供たちや若者たちの創作活動へのチャレンジをサポートし、その表現や発表の場を提供します。東京からのコンテンツ供給だけでなく、ワークショップやセミナーなどを通じて、若い世代の夢や才能を養い、地元の子供たちが夢を持って元気に立ち上がれるようなきっかけ作りを進めることにより、被災地の方々自らによる復興を後押ししていきたい考えです。

この先まだ何十年もかかるだろう復興への道程の中で、これからのために微力ながら力を尽くしていきたいと思っていますので、ぜひ、皆さまのご支援のほどをお願い申し上げます。