“わたしの夢”応援プロジェクトvol.8「倍賞千恵子と映画『世界でいちばん美しい村』を観よう」と釜石市内視察の様子をアップしました。

2017/03/06

一般社団法人チームスマイルによる、被災地の子供たちを元気づけ、その夢の後押しをするための「“わたしの夢”応援プロジェクト」。前回(2/4)のいわき開催に続き、今回も国民的女優で歌手でもある倍賞千恵子さんを迎え、『チームスマイルpresents“わたしの夢”応援プロジェクトvol.8/倍賞千恵子さんと、映画「世界でいちばん美しい村」を観よう』と題したイベントが、岩手県釜石市内の釜石高校と「釜石PIT」で開催されました。

前日から映画監督の石川梵さん、ご主人で音楽家の小六禮次郎さんと釜石入りした倍賞さんは、震災当日から避難所として使われた高台の料亭「幸楼」で、野田・釜石市長らと会食。この「幸楼」は、震災で亡くなった方々の法要のために、地元で真っ先に営業を再開した施設としても知られます。

「幸楼」での1コマ。左側中央が野田市長、右側奥より、小六さん、倍賞さん、矢内代表、石川監督

「幸楼」での1コマ。左側中央が野田市長、右側奥より、小六さん、倍賞さん、矢内代表、石川監督

「幸楼」での1コマ。左側中央が野田市長、右側奥より、小六さん、倍賞さん、矢内代表、石川監督

「幸楼」での1コマ。左側中央が野田市長、右側奥より、小六さん、倍賞さん、矢内代表、石川監督

翌朝、最初の訪問地である釜石高校で、生徒たちの熱烈な歓迎を受けた一行が階段教室に入るや、音楽部の部員たちが「願い~震災を乗り越えて~」を手話付きで斉唱。この歌は、小六さんの友人でもあるピアニストの小原孝さんが作詞した合唱曲で、悲しみを胸に明日を目指す人々を励ます温かい歌詞に、一行も思わず涙。

大きな教室に生徒たちの澄んだ歌声が広がります

大きな教室に生徒たちの澄んだ歌声が広がります

歌を聴き終えて、思わす立ち上がって拍手する倍賞さん

歌を聴き終えて、思わす立ち上がって拍手する倍賞さん

大きな教室に生徒たちの澄んだ歌声が広がります

大きな教室に生徒たちの澄んだ歌声が広がります

歌を聴き終えて、思わす立ち上がって拍手する倍賞さん

歌を聴き終えて、思わす立ち上がって拍手する倍賞さん

「心を込めて歌った音楽は本当に素敵。手話もよく勉強したわね」と微笑んだ倍賞さんは、自らステージに上がると、同じこの歌の歌詞をゆっくりと朗読し始めました。誰もを包み込むような倍賞さんの声。胸に手を当てた倍賞さんが「幸せになりますように。」と最後のフレーズを読み上げると、会場からはすすり泣きに代わって大きな拍手が。

倍賞さんの朗読を聴いて感謝する生徒たち。会場も温かい空気に包まれました

倍賞さんの朗読を聴いて感謝する生徒たち。会場も温かい空気に包まれました

小六さんの伴奏で倍賞さんからも歌のプレゼントが

小六さんの伴奏で倍賞さんからも歌のプレゼントが

倍賞さんの朗読を聴いて感謝する生徒たち。会場も温かい空気に包まれました

倍賞さんの朗読を聴いて感謝する生徒たち。会場も温かい空気に包まれました

小六さんの伴奏で倍賞さんからも歌のプレゼントが

小六さんの伴奏で倍賞さんからも歌のプレゼントが

朗読を聴き終えた子供たちが、もう一度「祈り」を歌い出すと、「詞の意味を噛み締めながら、心から声を出して歌おう」という小六さんのアドバイスもあって、その歌声からは、さらに祈りの想いが強く響いてきました。続けて彼女たちからは、倍賞さんの持ち歌である「世界の約束」(映画「ハウルの動く城」のテーマ曲)のプレゼント。

「2回目は、伝えようと思う力が加わって、さらに爽やかで芯があって素敵だった」と倍賞さん。子供たちのサプライズに応えるように、小六さんの伴奏で「忘れな草をあなたに」を披露し、音楽部の生徒一人ひとりの肩を抱くと、大きな拍手と歓声に見送られる中、倍賞さん一行は釜石高校を後にしました。

「釜石、エイサー!!」のかけ声で記念撮影。右端の“寅さん”は、釜石高校のOBでもある釜石PITの井筒マネージャー

「釜石、エイサー!!」のかけ声で記念撮影。右端の“寅さん”は、釜石高校のOBでもある釜石PITの井筒マネージャー

「頑張ってね」と音楽部の生徒ひとりひとりの肩を抱く倍賞さん。中には感激の涙を流す生徒も

「頑張ってね」と音楽部の生徒ひとりひとりの肩を抱く倍賞さん。中には感激の涙を流す生徒も

「釜石、エイサー!!」のかけ声で記念撮影。右端の“寅さん”は、釜石高校のOBでもある釜石PITの井筒マネージャー

「釜石、エイサー!!」のかけ声で記念撮影。右端の“寅さん”は、釜石高校のOBでもある釜石PITの井筒マネージャー

「頑張ってね」と音楽部の生徒ひとりひとりの肩を抱く倍賞さん。中には感激の涙を流す生徒も

「頑張ってね」と音楽部の生徒ひとりひとりの肩を抱く倍賞さん。中には感激の涙を流す生徒も

被害の大きかった地区やW杯ラグビー場建設予定地を視察した後、昼食は、津波で大きな被害を受けながらいち早く営業を再開し、今や震災の語り部としても知られる「宝来館」で、地元の食材をふんだんに使った海鮮丼に舌鼓。防波堤を作らずに、海とともに生きることを選んだこの地区を見て、「あの日の哀しみが少しずつ清められていっているように感じた」と石川監督。

震災前の風景をそのまま残した「宝来館」前の浜に立つ鎮魂の碑。この日も岩手めんこいテレビの取材班が同行しました

震災前の風景をそのまま残した「宝来館」前の浜に立つ鎮魂の碑。この日も岩手めんこいテレビの取材班が同行しました

「宝来館」の前で女将の岩﨑さん(中央)を囲んで。あの日の津波は、後ろに写る建物の2階の屋根上まで来ました

「宝来館」の前で女将の岩﨑さん(中央)を囲んで。あの日の津波は、後ろに写る建物の2階の屋根上まで来ました

震災前の風景をそのまま残した「宝来館」前の浜に立つ鎮魂の碑。この日も岩手めんこいテレビの取材班が同行しました

震災前の風景をそのまま残した「宝来館」前の浜に立つ鎮魂の碑。この日も岩手めんこいテレビの取材班が同行しました

「宝来館」の前で女将の岩﨑さん(中央)を囲んで。あの日の津波は、後ろに写る建物の2階の屋根上まで来ました

「宝来館」の前で女将の岩﨑さん(中央)を囲んで。あの日の津波は、後ろに写る建物の2階の屋根上まで来ました

様々な思いを胸に一行は「釜石PIT」に到着、本イベントで上映された「世界でいちばん美しい村」は、東北と同じく大地震に見舞われた、ネパールの村を訪ねた写真家の石川梵さんが、震災と逞しく向き合う村人たちを追い続けた渾身のドキュメンタリー。この映画のナレーションを倍賞さんが担当しています。

上映後のトークショウで、倍賞さんにナレーションを依頼した理由を聞かれた石川監督は、「倍賞さんの言葉には愛がある。一言一言にハートマークが付いているんです」。その言葉を受けて倍賞さん、「自然と共生している人たちの強さに惹かれた。子供たちも何もないのに幸せそうで、まるで子供時代の寅さんとさくらみたい(笑)」。

パナソニック様より提供されたプロジェクターにより、本当の映画館のように鑑賞できます

パナソニック様より提供されたプロジェクターにより、本当の映画館のように鑑賞できます

「ネパールで撮った映画を、東北の皆さんに観てもらうのが夢だった」と上映後の石川監督

「ネパールで撮った映画を、東北の皆さんに観てもらうのが夢だった」と上映後の石川監督

パナソニック様より提供されたプロジェクターにより、本当の映画館のように鑑賞できます

パナソニック様より提供されたプロジェクターにより、本当の映画館のように鑑賞できます

「ネパールで撮った映画を、東北の皆さんに観てもらうのが夢だった」と上映後の石川監督

「ネパールで撮った映画を、東北の皆さんに観てもらうのが夢だった」と上映後の石川監督

最後は、倍賞さんと小六さんご夫妻によるミニコンサートが行われ、大ヒット曲「下町の太陽」や「さくら貝の歌」など7曲が披露されました。「釜石の海の青さを見ながら、人間ってすごいな、強いなと思った。頑張ってね、と皆さんに素直に声を掛けられる自分がいました」と倍賞さん。東京への帰路に着くバスの中で、「自分たちにできることがある限り、またこの地を訪れよう」と誓い合った一行でした。

倍賞さんの歌う「忘れな草をあなたに」が釜石PITの感動の涙を誘います

倍賞さんの歌う「忘れな草をあなたに」が釜石PITの感動の涙を誘います

コンサートのしめくくりは、さだまさしさんの「しあわせについて」をデュエットで。歌詞の通り、「生きる喜び、人を愛する喜び」を誰もが感じたひとときでした

コンサートのしめくくりは、さだまさしさんの「しあわせについて」をデュエットで。歌詞の通り、「生きる喜び、人を愛する喜び」を誰もが感じたひとときでした

倍賞さんの歌う「忘れな草をあなたに」が釜石PITの感動の涙を誘います

倍賞さんの歌う「忘れな草をあなたに」が釜石PITの感動の涙を誘います

「コンサートのしめくくりは、さだまさしさんの「しあわせについて」をデュエットで。歌詞の通り、「生きる喜び、人を愛する喜び」を誰もが感じたひとときでした

コンサートのしめくくりは、さだまさしさんの「しあわせについて」をデュエットで。歌詞の通り、「生きる喜び、人を愛する喜び」を誰もが感じたひとときでした

※今回の模様は、3/25(土)12時30分より、岩手めんこいテレビの特別番組(30分)として放送されます。

(撮影:Yoshiyasu Saijo)