新人監督の登竜門・PFF(ぴあフィルムフェスティバル) コンペティション「PFFアワード2017」入選作品発表!

2017年07月14日

映画の新しい才能の発見と育成をテーマに1977年にスタートした「PFF(ぴあフィルムフェスティバル)」。
今年で第39回目の開催となるPFFのコンペティション「PFFアワード2017」の入選作品が発表となりました。約4か月に及ぶ審査を経て決定した下記17本の入選作品は、9月16日(土)から東京国立近代美術館フィルムセンターで開催する「第39回PFF」で上映し、最終日の9月29日(金)には、最終審査員らにより各賞が発表されます。

■「PFFアワード2017」入選作品
 *作品名五十音順。上映時間、年齢、職業(学校名)は応募時のものです。

「あみこ」 66分 監督:山中瑶子 (20歳/フリーター/長野県出身)
「うつらうつら」 36分 監督:高橋カンナ (22歳/多摩美術大学 造形表現学部/東京都出身)
「円の網」 48分 監督:本村花菜 (24歳/多摩美術大学 造形表現学部/鹿児島県出身)
「同じ月は見えない」 105分 監督:杉本大地 (23歳/東京造形大学 造形学部デザイン学科/東京都出身)
「かえりみち」 48分 監督:大浦美蘭 (22歳/武蔵大学 社会学部/福島県出身)
「狐のバラッド」 85分 監督:藤田千秋 (26歳/会社員/熊本県出身)
「子どものおもちゃ」 52分 監督:松浦真一 (27歳/古書店アルバイト/大阪府出身)
「さようなら、ごくろうさん」 43分 監督:城 真也 (23歳/早稲田大学 文化構想学部/東京都出身)
「情操家族」 83分 監督:竹林宏之 (28歳/東京藝術大学 大学院映像研究科/福岡県出身)
「赤色彗星倶楽部」 82分 監督:武井佑吏 (24歳/早稲田大学 政治経済学部/群馬県出身)
「沈没家族」 72分 監督:加納 土 (22歳/武蔵大学 社会学部/東京都出身)
「春みたいだ」 33分 監督:シガヤダイスケ (22歳/日本大学 芸術学部映画学科/神奈川県出身)
「風船」 27分 監督:中尾広道 (37歳/派遣社員/大阪府出身)
「ブンデスリーガ」 65分 監督:太田達成 (27歳/会社員/宮城県出身)
「やさしいフルスイング』 75分 監督:尾崎 健 (24歳/京都造形芸術大学 映画学科/兵庫県出身)
「蝋石」 29分 監督:門脇康平 (20歳/東京藝術大学 美術学部/埼玉県出身)
「わたしたちの家」 80分 監督:清原 惟 (24歳/東京藝術大学 大学院映像研究科/東京都出身)

■PFFディレクター 荒木啓子のコメント
何が起きているのか?
入選作品決定のタイムリミットの前で何度も浮かんだ言葉です。
最大8プログラムという制限の中で、出来るだけ多くの作品を紹介したい。が、この長編映画の波に息継ぎも容易にいかない、苦しいような、そのまま水の底に潜って揺蕩いたいような、最後の最後まで足掻くような、「PFFアワード2017」入選作品決定までの葛藤。
学校での映画製作と、個人映画としての自主映画と、表裏一体の時代がやってきた感触と同時に、自主映画の、個々の目指すところの拡散も悩みも溢れます。どこを目指して、誰と、何を創るのか? 逆に言えば、映画に向かう環境は無法地帯へと更に近づいています。このやりたい放題な場所への道がどこまで伸びていってくれるのか、未来が更に楽しみで仕方のないセレクション期間でした。
同時に、3月から7月まで4か月に渡るセレクション期間、ご応募いただいた皆様をお待たせしない方法をあれこれ検討しながらも、この時間が「観る」ということに必要なのだとも改めて確認しました。
本年「PFFアワード2017」では、下記17作品を入選作品として「第39回PFF」で上映します。
勿論、一次会議に1日、二次会議に2日を丸ごと費やした討議の中で、議題にあがった映画の数は遥かに多く、入選とそうでないボーダーは極めて緩く、セレクションの重荷をメンバー全員が噛みしめる結果です。
ともあれ、まずは、21世紀の今・現在を生きるこの作品群をご覧になることで、早熟であること、覚醒することを求められるこの時代の一端を浴びていただける予感がするのです。
17作品は、8つのプログラムに分けられ、それぞれ2回の上映を行います。
是非フィルムセンターの大スクリーンで=もしかして、制作した方々も初めての体験となるかもしれない「スクリーン上映」で=どっぷりたっぷり時間を使って、ご覧いただけることを願っています。
映画祭は、映画の古典的上映方法である「スクリーンで見知らぬ人々が同じものをみて違う反応をすることを楽しむ」場所です。その楽しさを、9月のPFFでおもいっきり満喫してください。


「第39回PFF」
日時:9月16日(土)~29日(金)
場所:東京国立近代美術館フィルムセンター(京橋)
*月曜休館