ライブ会場不足問題が表面化。2016年ライブ・エンタテインメント市場は微減となるも、高水準を維持/ぴあ総研が調査結果を公表
2017年09月01日
ぴあ総研が、ライブ・エンタテインメント調査委員会からの委託を受けて実施しましたライブ・エンタテインメント市場規模の調査結果(確定値)を公表いたしました。
今回公表しました2016年のライブ・エンタテインメント市場規模は、好調だった前年から2.0%減の5,015億円と推計されます。ここ数年間、活況が続いていたライブ・エンタテインメント市場ですが、5年振りに前年を割り込みました。
音楽・ステージいずれの分野においても、公演回数は全体として増加しているものの、公演活動自体は依然として活発です。しかしながら、特に音楽ジャンルにおいて、会場収容人数1万人以上の大規模会場での公演回数が前年を下回ったことで、1公演当たり動員数が低下し、全体の動員数と市場規模が伸び悩む結果となりました。首都圏を中心に、改修に伴う閉鎖や老朽化による解体が相次ぐことによってライブ会場が不足する「2016年問題」が、浮き彫りになる結果となっています。とはいえ、音楽ジャンルにおいては、動員1人当たりの単価が上昇したことで、市場規模の減少は比較的軽微に止まりました。
*ライブ・エンタテインメント市場規模=音楽コンサートとステージでのパフォーマンスイベントのチケット推計販売額合計と定義。
【2016年のライブ・エンタテインメント市場規模】
■音楽市場について
2016年の音楽市場規模は3,372億円、前年比1.0%減と推計され、過去最高を記録した前年からほぼ横ばいの推移となりました。公演回数は小規模会場での増加に牽引されて全体としては増加したものの、会場収容人数1万人以上の大規模会場での公演回数の減少が響き、動員数と市場規模が前年割れとなりました。
■ステージ市場について
2016年のステージ市場規模は、前年比4.2%減の1,643億円と推計されます。ステージ市場を構成する、①ミュージカル、②演劇、③歌舞伎/能・狂言、④お笑い/寄席・演芸、⑤バレエ/ダンス、⑥パフォーマンスほかのうち、前年割れとなったのは「ミュージカル」と「歌舞伎/能・狂言」の2ジャンルで、会場収容人数1千人以上の会場における公演回数減少が影響しています。
なお、2016年の市場調査の詳細分析につきましては、『2017 ライブ・エンタテインメント白書』としてまとめて、9月15日に発行予定です(電子書籍版は10月上旬予定)。
【本ライブ・エンタテインメント市場調査について】
ライブ・エンタテインメント市場を客観的に評価する市場規模や動員数等のデータがほとんどないという状況を受けて、ぴあ総研が2000年から推計をスタートしたものです。2011年からは、その主旨に賛同する業界団体・企業によって構成される「ライブ・エンタテインメント調査委員会」が同調査の実施を引き継ぎ、ぴあ総研が同委員会から委託をうけて行っております。日本で唯一のライブ・エンタテインメント市場全体を捉える統計調査として信頼をいただいています。
【参考】
■本調査結果のサマリーはこちら
※2007年からの市場規模、公演回数、動員数の推移をまとめています。
【電子書籍『2016ライブ・エンタテインメント白書』概要】
刊行:2017年10月上旬予定
予価:20,000円(税別)
発行:ライブ・エンタテインメント調査委員会
販売サイト:kindle、kobo、bookstoreほか
【ライブ・エンタテインメント調査委員会の参画団体・企業】
一般社団法人 日本音楽事業者協会
一般社団法人 日本音楽制作者連盟
一般社団法人 コンサートプロモーターズ協会
一般社団法人 日本音楽出版社協会
一般社団法人 日本音楽著作権協会
公益社団法人 日本演劇興行協会
株式会社 電通
株式会社 博報堂
株式会社 博報堂DYメディアパートナーズ
ぴあ 株式会社
株式会社 ローソンHMVエンタテイメント
株式会社 イープラス
コミュニティネットワーク 株式会社