「The Unforgettable Days
at チームスマイル・豊洲PIT」
ライブレポート

2019/03/20

大黒摩季・奥田民生・岸谷香・水谷千重子 出演!
シークレットゲストとしてMISIAも登場。

東日本大震災の復興活動が継続的に行われる中、昨年は日本の広い範囲を災害が襲い、多くの人たちが被災した。
今回はイベントタイトルを“The Unforgettable Day”から“The Unforgettable Days”とし、各アーティストの出身地や、ゆかりのある土地への思いをつなぎ合わせ、日本全国で災害に見舞われた人たちにも音楽の力を届けたいという想いもあったようだ。
当日はWOWOW生中継の全面ご協力を得て、いわきPIT、釜石PIT、仙台PITにてライブビューイングも開催されました。

3月10日、音楽の力で東日本大震災の復興を支援しているイベント“The Unforgettable Day”の第4回が、東京・豊洲のライブハウス「チームスマイル・豊洲PIT」で開催された。

2012年、東日本大震災復興支援のために再結成し、「仙台PIT」設立のための寄付も行ったプリンセス プリンセスの意志を引き継いだ岸谷香は、自身がステージのオープニングを飾るだけでなく、各出演者とのセッション、そして出演依頼も自ら行ったという。彼女のステージは、まず名曲「M」をピアノの弾き語りで情感豊かに聴かせた後、自身のバンドUnlock the girlsとともに思い切り弾けたパフォーマンスを展開。5月にリリースされるニュー・アルバムからの新曲も初披露し、会場の温度を一気に引き上げた。

岸谷香

続いては、演歌とJ-POPをつなぐ個性的な活動を展開している水谷千重子が登場。プリンセス プリンセスの「世界でいちばん熱い夏」を熱唱して、会場を圧倒した。彼女と岸谷の組み合わせを意外に思う人も少なくないだろうが、岸谷が彼女のアルバムに曲を提供しており、この日はその岸谷が中心になって続けられているイベントの趣旨に共感して駆けつけたという。2曲目にはその提供曲「千重子のウィンク」を歌って、会場をいよいよハッピーな空気で満たした。

水谷千重子

ところが、続いて登場した奥田民生はいつもながらの飄々とした振る舞いでおもむろに演奏を始める。「今日は、キーが高めの人ばかりなので、僕は低音の魅力で」と言って笑いを誘ったりしながら、しかしこの日のイベントの趣旨や復興支援などについて話すことはしない。それでも、地元・広島が昨年夏の豪雨で大きな被害を受けると、彼が弾き語りツアーを一人で緊急敢行し、その収益を復興支援に寄付したことをファンは知っているし、例えば♪軽く笑えるユーモアを/うまくやり抜く賢さを♪と熱く歌ったこの日のボーカルが傷ついた心と体に力をきっと与えるはずと誰もが感じたに違いない。

奥田民生

そして、ビッグ・サプライズ。岸谷が呼び込んだシークレット・ゲストはMISIAだった。2年前のこのイベントに出演するはずだったが体調を崩して果たせなかったのだという彼女は、文字通りツアーの合間をぬって、2年越しの約束を実現してみせた。「歌うということは願うこと、祈ること」と言って、岸谷のピアノとのデュオで聴かせたプリプリの曲「ジュリアン」は、まさしくこの夜のハイライトのひとつだった。

MISIA

最後に登場したのは大黒摩季。東北や熊本の被災地でボランティアに参加した経験や、彼女の地元・北海道が地震に見舞われた際に触れた様々な人たちの温かい気持ちをエネルギッシュなパフォーマンスに昇華し、見事に会場を一つにしてみせた。

大黒摩季

アンコールは岸谷、奥田、大黒がプリプリの「Diamonds<ダイアモンド>」。溌剌(はつらつ)とした演奏で締めくくって、岸谷が最初に語った通り、音楽の力で胸いっぱいになる一夜となった。

文:兼田達矢
撮影:入日伸介