チームスマイル・いわきPIT主催 有観客+オンライン配信ライブイベント「キオクノ空、花ノマチ 2022」を開催しました
2022/03/10
2022年2月19日(土)、チームスマイル・いわきPIT主催のライブイベント「キオクノ空、花ノマチ 2022」を開催しました。
2015年・2019年に続き、3回目の開催となる今回は、いわきに縁のある県内外のアーティストが出演。新型コロナウイルス感染拡大防止策と人数制限を行った上でのリアル開催を目指していましたが、まん延防止等重点措置適用の影響により、オンライン配信とのハイブリッド開催となりました。音響・配信は、市内のライブハウス club SONIC iwakiのスタッフにご協力いただきました。
最初に登場したのは、いわきPITスタッフで、イベントの発起人でもある矢野雅哉。イベントタイトルにその歌詞が引用されている「Itsuka」は、双葉郡浪江町出身の彼が震災後、ボロボロになってしまった実家に一時帰宅した際、庭に咲いていたコスモスの花を見て書いた曲。伝え続けていくことの大切さを、真っ直ぐに響かせました。
続いて演奏した「片隅の季節」は、福島に縁のあるミュージシャンのコンピレーションアルバム『So Sweet Songs』に収録されており、参加アーティストの物販や県内各所で購入可能。
2020年に発表した1st EPに収録されている「Route 6」は、追悼の花火大会に参加して書いた曲。いわきから浪江を通り、花火の会場でもある南相馬市原町区を結ぶ国道6号線をモチーフにした曲で、地元への想いを歌い上げました。
続いて登場したのは、埼玉県を拠点に活動しているシンガーソングライター 岩船ひろきさん。「今ここで重なった瞬間を大事に歌っていきたい」と、2016年に初めていわきを訪れた際に作った「不死鳥」を披露。
いわきの友人をイメージして作った「瓦礫に花を咲かせましょう」では、手拍子で客席が一体となりました。
年間200本行っていたライブが、コロナ禍の影響により月に2本になってしまったという彼は、「みんながみんなつらいのではなく、みんなが一緒に戦っているんだから」と、「螢火」を披露。再会を願う言葉で、会場に元気を届けました。
キオクノ空、花ノマチではお馴染みの、兵庫県出身のカタオカセブンさん。コロナ禍でライブができなかった時期に作った新曲ばかりを持ってきたと話し、「どこかで誰かが」でスタート。
配信のカメラへのサービスも忘れないカタオカセブンさん
2013年から毎年いわきに歌いに来ている彼は、「いわきに友人がいるから、歌いに来て元気をもらっている」とのこと。そんな友人を歌った「燃える」や、初めて母に向けて書いたというインストゥルメンタルの「母路」など、優しい曲をしっとりと奏でました。
「大変な時こそネガティブな方に目を向けるのではなくて、大変だからこそこうやって皆さんと助け合って、繋がって、大変だからこそ生まれた絆とか、そこで見つけてきたものを大事にしていきたい」と語るのは、熊本県出身(いわき市在住)のシンガーソングライター 凛音さん。
「便利になりましたね。遠くにいる人にもライブを届けられる。」と急遽決まったオンライン配信にもポジティブな凛音さん
熊本にいるご両親へ向けた「息子からの手紙」や、震災後に書いた「みつけたもの」など、優しく前向きな気持ちにさせてくれる凛音さんらしいライブを展開しました。
ラストを飾るのは、いわきPITのオープニングイベントから数多く出演しているアベマンセイさん。自身が音楽担当をしている映像作品『かもめの視線』シリーズの映像をバックに、「Little Wing Butterfly~天国から見た景色~」や、「音で空を飛んでいきましょう!」と、「Rainbow Race」を演奏。
映し出されるのは、震災以前から震災後、そして、現在のいわき市沿岸の空撮映像。「いわき、きたぞここまで。」と力強く語るアベマンセイさん
「今できる表現で最高に楽しんでいきましょう!」という明るいメッセージとともに演奏された「Hands&Voices」では、手拍子や手振りなど、《今できる表現》を使って会場をひとつにしていきました。
出演者の皆さん、club SONIC iwakiのスタッフチーム、そして、ご来場・ご視聴いただいた皆さんのご協力で、いわきPIT主催イベントの集大成ともいえるイベントになりました。ありがとうございました!
現在、チームスマイル・いわきPIT公式YouTubeチャンネルにて、配信アーカイブの視聴が可能です。
レポートでは掲載しきれなかった、出演者の福島への想いや、素敵な楽曲の数々を是非ご覧ください。
写真:鈴木穣蔵