ぴあ総研によるEXPO 2025「世界遊び・学びサミット」でのパネルディスカッション開催報告

2025年09月10日

プレスリリース シンポジウム

本パネルディスカッションの登壇者の方々
本パネルディスカッションの登壇者の方々

ポストSDGsに向けた「大阪宣言」を発信。
ウェルビーイングをめぐる学際的議論が展開されました。

ぴあ総合研究所株式会社(代表取締役社長:吉澤保幸、以下「ぴあ総研」)は、2025年8月10日(日)、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のシグネチャーイベント「世界遊び・学びサミット」において、パネルディスカッション「遊びと学びの交差点~エンタメが創る新しい価値~」を開催しました。

本パネルディスカッションは、6月に龍谷大学(京都)で実施された「第4回ぴあ総研シンポジウム」に続き、文化芸術・エンタテインメント・スポーツを社会的基盤として捉え直す国際的視座を深める場となりました。

<議論の展開>
冒頭、司会を務めた浪曲師・春野恵子氏が、浪曲風の語りで「遊びと学びの交差点から生まれる未来像を、大阪から世界に向けて語り合う場に」と観衆を導き、会場に独特の高揚感をもたらしました。 

まず、文化庁 都倉俊一長官から特別ビデオメッセージが寄せられました。都倉長官は、文化芸術が「生きていく上でかけがえのないもの」であることを地球全体で考えるべきであり、日本が文化芸術立国を目指す中で、輸出産業としてだけではなく、文化芸術で「人々の心を取りに」いくべきだと呼びかけました。

その後、ぴあ総研からは「Culture Circular Engine(文化芸術・スポーツ・エンタメを基盤に社会と経済を好循環させ、人間の尊厳と創造性を高めるモデル)」の概念が提示され、エンタテインメントの語源がラテン語 intertenere(「心を支える」)に由来し、「人の心を動かすもの(心のライフライン)」として社会的ウェルビーイングを生み出す装置であることが位置づけられました。

続く議論では、登壇者それぞれの立場から「遊びと学び」の価値が語られました。

  • 日比野克彦氏(東京藝術大学 学長)は、芸術文化を「人がワクワクしながら生きていくためのライフライン」と捉え、遊びと学びを結びつける好奇心の力を浮き彫りにしました。
  • 中村壱太郎氏(歌舞伎俳優)は、伝統芸能を「攻めてこそ守られるもの」と捉え、祭や芸能が日常生活に欠かせない学びの契機であると示唆しました。
  • 三島有紀子氏(映画監督)は、人々を支える不可欠な存在であることを明らかにするとともに、イギリスや長野県など地域の映画館が子供たちの居場所にもなっている事例を紹介されました。
  • 芦立訓氏(日本スポーツ振興センター理事長)は、スポーツをその語源(デポルターレ)から「非日常の体験を生み出す営み」として位置づけ、エンタテインメントと共に人間の生き方を支える普遍的価値を照らし出しました。

ファシリテーターの鈴木寛氏(東京大学 教授)は、これらの議論を総括し、そして、昨年合意した国連の未来サミットでのアクション11を援用しつつ、文化芸術・エンタテインメント・スポーツはいずれも「心を動かす力」に基づく学びの営みであり、その融合こそが未来社会を切り拓く原動力であると結びました。

の流れを受け、ぴあ総研代表取締役社長 吉澤保幸は、文化芸術・エンタテインメント・スポーツを「平和な未来を切り拓くエンジン」と位置づけ、大阪から世界へ新しい価値を発信していくことを提案しました。

 
<大阪宣言の発信>
討議の集約として「大阪宣言」が採択されました。

大阪宣言

文化芸術・エンタメ・スポーツは
持続的発展と平和のエンジン!
Art, Culture, Entertainment and Sports
: Driving Development and Peace

本宣言は、文化芸術・エンタテインメント・スポーツを人類と地球のウェルビーイングを促進する国際的基盤と位置づけ、ポストSDGs時代の行動指針として、ぴあ総研が提起するものです。

<応援メッセージ>
最後に、遠藤利明衆議院議員(日本スポーツ協会会長、衆議院議員)が特別登壇し、「遊びと学びを切り離さず、文化やスポーツがその循環を創り出す意義」を指摘し、これらを日本の強みとして世界に提示することが未来社会を切り拓く原動力になると力強く呼びかけました。

[開催概要]
「世界遊び・学びサミット」パネルディスカッション
テーマ:「遊びと学びの交差点~エンタメが創る新しい価値~」
日時:2025年8月10日(日)16:00~17:30
会場:大阪・関西万博会場内EXPO メッセ「WASSE」内特設会場
主催:ぴあ総合研究所株式会社

登壇者:
◆オープニングトーク:
笹井 裕子 (ぴあ総合研究所株式会社 取締役所長)
渥美 真彩 (ぴあ総合研究所株式会社 研究員)

◆パネルディスカッション: 
≪パネリスト≫
芦立  訓氏 (独立行政法人日本スポーツ振興センター 理事長)
中村 壱太郎氏(歌舞伎俳優)
日比野 克彦氏(東京藝術大学 学長)
三島 有紀子氏(映画監督)

≪ファシリテーター≫
鈴木 寛氏 (東京大学 教授、慶応義塾大学SFC 特任教授)
吉澤 保幸 (ぴあ総合研究所株式会社 代表取締役社長)

◆司会進行
春野 恵子氏 (浪曲師)

ステージ上では、文化芸術・エンタメ・スポーツの未来を語り合いました
ステージ上では、文化芸術・エンタメ・スポーツの未来を語り合いました
ぴあ総研主催パネルディスカッション「遊びと学びの交差点~エンタメが創る新しい価値~」のプログラムはこちら
ぴあ総研主催パネルディスカッション「遊びと学びの交差点~エンタメが創る新しい価値~」のプログラムはこちら

PCサイトで読む

ニュース一覧に戻る