PFFアワード2021グランプリ受賞作品「ばちらぬん」が劇場公開決定!/特集上映「国境の島にいきる」

CSR活動

2022年04月08日

PFFアワード2021グランプリ受賞作品である、東盛あいか監督の「ばちらぬん」が、沖縄本土復帰50周年という節目に際し、日本最西端の与那国島を舞台とした映画作品を特集上映する「国境の島にいきる」にて、「ヨナグニ~旅立ちの島~」とともに上映されることが決定しました。

4月30日(土)より沖縄・桜坂劇場での先行上映を皮切りに、5月7日(土)からは東京・K's cinema、アップリンク吉祥寺、翌週13日からはアップリンク京都、大阪・第七藝術劇場をはじめ全国ロードショーとなります。

公開に際し、東盛監督は「人に島に愛された映画『ばちらぬん』が与那国島から海を渡り全国へ。初監督作がここまでこれた事を感謝致します。本作は沢山の追い風を受けて進み始めます。島の生命力溢れる映画を多くの方に観てもらいたいです」とコメントしています。


「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」は、「映画の新しい才能の発見と育成」を目指す活動として1977年にスタートし、毎年開催されている映画祭です。メイン企画である「PFFアワード」は、世界でも類を見ない「自主映画」の公募コンペティションであり、そこでの入選を機に、プロの映画監督となった人は160人余りに達しています。



配給:株式会社ムーリンプロダクションのリリースより
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時代の波に翻弄される文化、言葉、暮らしそれでも島に息づくものがある。

かつて「与那国島」はアジアの交易の中継地として栄えてきた。その交流から生まれた文化と、日本や沖縄本島とも異なる独自の言語は島の誇りであった。1972年、沖縄の日本本土復帰とともに、与那国は日本の最西端つまり国境の島になった。

ーーその後50年の間、島はどのように移り変わり、⼈々の暮らしはどのように変化したのか。そして、時代を経てもなお変わらないものとはーー

2021年、世界がコロナ禍に見舞われる中、与那国島は二つの映画を生み出した。島に生まれ育った若き才能が描く望郷の島 「ばちらぬん」、欧州からやって来た気鋭の視点で描かれる⽇常の島「ヨナグニ~旅立ちの島~」。与那国島を新たな角度から描いたこの作品を通して、国境の島そして復帰50周年の意味を問い直す。

「ばちらぬん」は監督・東盛あいかの故郷である与那国島の日常や祭事を取材したドキュメンタリーと花、果実、骨、儀式などをモチーフに幻想的に描かれる世界が交差しあう実験作。現実とフィクションが溶け合い、ジャンルの枠を超えた映像によって島に紡がれてきた歴史、文化、人々の記憶がスクリーンに映し出される。本作で東盛は監督のみならず主演も務め、2021年のぴあフィルムフェスティバルにて見事グランプリを受賞した。その後、東京国際映画祭での上映など各方面から注目を集めている。

もう一作「ヨナグニ~旅立ちの島~」は高校のない島を舞台に、卒業前の中学生たちを主に取材し、学校生活や豊かな自然で戯れる放課後、思春期の本音が漏れる会話を通して、多感な10代の日々が映し出される。そして、失われつつある島の言葉「どぅなん」や伝統文化がゆっくりと若い世代へと受け継がれる様子が描かれる。
本作はイタリア出身の映像作家アヌシュ・ハムゼヒアンと写真家ヴィットーリオ・モルタロッティのコンビが監督を務めた。彼らが「スコットランドを思わせるような曇り空の美しい島」と言い表す与那国像は、新しい視点から島の表情を見せてくれる。
また、二人は映画に留まらず同時に与那国をテーマとした書籍と美術作品も発表した。特に島の写真と言葉のアーカイブで構成される美術作品「L’Isola」(イゾラ、イタリア語で「島」の意味)はイタリア、フランスでの展示を経て、2月より沖縄県内での展示が決定。4月には東京・イタリア文化会館にて展示される。

2022年、復帰50周年を迎える沖縄に新しい風が吹く。

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著名人からのメッセージ

「故郷への深い想いと映画づくりの熱情が、魂に力強く優しく温かく響いてきた。なんて美しく純粋な映画なんだろう。」
「ばちらぬん」へ向けて――井浦新(俳優)

「国境の島の西端に暮らす中学生たちが、どんなふうに遊び、将来をどのように思い悩んでいるのかを、イタリアからの撮影隊は活き活きと撮った。それが沖縄や国内のフィルムメーカーじゃなかったのが、ちょっとだけ悔しい。」
「ヨナグニ~旅立ちの島~」へ向けてーー金子遊(批評家・映像作家)

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上映特集「国境の島にいきる」
配給:株式会社ムーリンプロダクション
協力:ぴあフィルムフェスティバル、リスペクトレコード
後援:与那国町、イタリア文化会館