ぴあを応援してくださる皆さまへ~社長メッセージ~

着実な成果と大きな挑戦で、“100年企業”に向けて前進します

ぴあ株式会社 代表取締役社長矢内 廣

2018年度上期決算について

 皆様には平素よりご高配を賜り、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。当社は今年度より、エンタテインメント事業における“バリューチェーン”の確立を目指し、新たな中期経営計画(3ヶ年)を策定し、その必達に向けて日々取り組んでおります。折しも、「コト消費」の活況により、当社ぴあ総研が調査した2017年のライブ・エンタテインメント市場規模は、前年比2.7%増、過去最高の5,151億円となりました。音楽・スポーツ・イベントジャンルを中心にチケット販売も好調に推移し、お陰さまで当社グループの第2四半期連結売上高も過去最高を記録、増収・増益の決算にて着地しました。

新たな挑戦により、ぴあならではの“バリューチェーン”の創出を図ります

 株主の皆様にはすでにお知らせいたしましたが、インターネットの環境に、情報誌「ぴあ」の世界観やコミュニティを復活させるべく開発を続けてまいりました『ぴあ』(アプリ)が、11月末に本創刊となりました。雑誌の休刊後に、多くの方々から「ぴあには、見知らぬエンタテインメントとの偶然の出会いや新しい発見があった」というメッセージを頂きました。そうした声に、新しいメディアを通じてお応えできないか、と試行錯誤を続けた結果、ようやく皆様にお披露目できるものが完成しました。株主の皆様は、来年の6月まで、すべてのサービスを無料でお使い頂けますので、ぜひともこの機会にダウンロードして下さいますようお願いいたします。情報誌「ぴあ」や「チケットぴあ」がそうであったように、世の中に必要とされるもの、ひとりひとりの生活を豊かにできるものを、これからも継続的に生み出していきたいと考えております。  また、近年のホール・劇場不足問題という社会的な課題の一助たるべく、横浜・みなとみらい地区に2020年開業予定の大型音楽アリーナも、その建設工事が順調に進んでおります。名称も「ぴあアリーナMM」に決定し、すでに利用予約の受付も開始しましたが、業界の皆様方からはご期待の声を多数頂いております。これらの事業の着実な推進により、コンテンツの供給から興行の主催・制作、チケットの流通・販売、メディアによるプロモーション、そして会場運営までをトータルに手掛け、当社の強みを活かした“バリューチェーン”の確立を図ってまいります。

これまでの経験と実績を最大限に活かし、着実な成果を目指します

 いよいよ、ラグビーW杯の日本開催が来年9月に迫ってまいりました。当社は、「チケッティングサプライヤー」として、公式チケットサイトの構築と運営を受託し、すでにチケット販売も順調に進んでおります。過去のオリンピックやサッカーW杯などで培ってきたノウハウと実績を最大限に活かし、世界中のお客様が安心してご利用頂けるよう、安定した業務の遂行に努めてまいります。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックにつきましても、チケッティングサービスを担う「業務委託事業者」に正式に選定され、すでに様々な準備を始めています。1,000万枚を超える観戦チケットを滞りなく販売するべく、全社を挙げて取り組んでまいります。

「社会の公器」としての自覚を持ち、企業価値の向上を図ります

 昨年4月に一般社団法人化しました「PFF(ぴあフィルムフェスティバル)」は、今年9月に、節目となる第40回目の開催を迎えることができました。1977年から「映画の新しい才能の発見と育成」を目的に活動してきたPFFからは、すでに日本を代表するプロの映画監督を120人以上も輩出しています。お陰さまで本年度も、60社を超える企業・団体からの篤いご支援を賜りました。当社の“ありよう”を表す活動の一つとして、決して失くしてはいけないと考えて地道に続けてきたことですが、業界の皆様がそれを評価して下さったのだろうと思うと、大変感慨深いものがありました。加えて来年度には、「大島渚賞」の新設も予定しております。引き続き、日本映画界の未来を担う映画監督たちを発掘、育成し、世界へ羽ばたくチャンスを提供していければと思っています。 一方、東日本大震災直後から、被災地における心の復興支援活動を行っている一般社団法人「チームスマイル」も、震災より7年を経てなお、積極的な活動を続けております。その拠点として東京、福島、宮城、岩手に開設した4つのホール「PIT」の運営をはじめ、被災地の子供たちの夢の実現を後押しするイベント「“わたしの夢”応援プロジェクト」の開催も、すでに19回を数えました。各界の著名人の方々のご厚意で、被災地の子供たちを対象にした特別セミナーやワークショップを開催していますが、毎回たくさんの地元の方々がご参加くださり、大変喜んで頂いております。当社では今後も「社会の公器」としての自覚を持ち、社業を通じた社会的課題の解決に、できる限りの力を尽くしてまいりたいと思っております。

ぴあらしい働き方とやりがいを醸成し、100年企業を目指します

 昨今、「働き方改革」が話題となっておりますが、当社でも、「ひとりひとりが生き生きと」という企業理念を具現化するための「働き方改革プロジェクト」をスタートしました。残業や休日に関する法令基準の達成はもちろん、ツールの導入や業務プロセスの見直しによる生産性の向上、職場環境の改善による快適なオフィス空間づくりに取り組んでおります。と同時に、本当に重要なのは「働きがい」の醸成と、その共有であろうと考えています。50年後、100年後を見据えて、全社一丸となって企業価値の向上に努めてまいりますので、引き続き、皆様の温かいご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。